信用できない上司の特徴 ― ドラマ半沢直樹を見て思ったこと

昨日のTBS日曜劇場「半沢直樹」おもしろかった!

公式サイトに書かれている「 クソ上司め、覚えていやがれ!」のフレーズも痛快(笑

 

上司と部下という関係性において、部下を教育し、采配をとり、見守る立場にある上司が、部下を責任をなすりつける単なるボロきれ扱いし、ただただ自分のことだけを考えた”仕事”に邁進する。

 

このドラマに描かれているような大手銀行での融資先の倒産だの5億円規模の話でなくても、日常的にこういう上司を見聞きする。

 

ドラマの中で、主人公半沢直樹(融資課長)の上司である支店長は、融資の審査手続きを踏んでいるとき、「まだ待ってください」という半沢を上司の権力でねじ伏せて、自分の出世を急ぐがばかりに倒産の危険因子のある会社への融資を進めた。

そのときに支店長は「私が全責任をもつ」と明言した。

しかししばらくして5億円融資したその会社が倒産。なぜそんな会社に融資したのか?それは提出された決算書が粉飾されていたのだった。

なぜ粉飾を見破れなかったか、誰の責任か?

「私が全責任をもつ」と明言したあの支店長?

いや、支店長は銀行上層部に根回しをしてまわり、「融資課長の”半沢”がゴリ押ししたからこうなった」と自分の責任を回避することに全力を尽くしていた。5億円の回収のことは頭になく自分の保身に全力。

 

自分がゴリ押ししたくせに。そしてそうして通った融資のおかげで社内の賞をもらったくせに。それが目的だったくせに。

当然このような筋のとおらない行動に納得のいかない主人公半沢。

 

 

どうにか5億円を回収しようと走り回りながら、その合間に支店長の自宅前を訪れる。

 

 

 

半沢「部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任」

・・・私はとかげのしっぽでしょうか。こたえてください」
支店長「すまん、半沢クン。今回の件は誰かが泥をかぶらなければならない。しかし私がそうなれば大阪西支店全体が傷を負うことになってしまう。どうかここはみんなのために耐えてくれ」

 

はい、出ました。自分の利益のためだけにやっていることを、あたかもみんなのため、世界平和のため、みたいな言い方するパターン

 
半沢「私に融資を通せと命じた時もみんなのためとおっしゃいましたよね。今度はみんなのために私に出向しろと?」

 

 

半沢「私が全責任を持つ。あの時あなたは確かにそうおっしゃったはずだ。あれは嘘だったんですか? あなたの言葉は信用できません

 

 

半沢さんよく言うたー!!!!!!!!!!

 

本当にそうです。「全責任を持つ」なんて重たい言葉を軽々しく言う人に限って軽々しく嘘をつき、ひどいときは「あれはそういう意味じゃない」とか発言をひるがえすようなことを言い始める。
そういうペテン師に直球ストレートで「信用できない」と当たり前のことをさらっと投げつけるのが気持ちいい。

 

出向しても2年で必ず銀行本部に戻してやる、必ずそう取り計らってやるから安心しろ、みたいなことを支店長がペラペラと言っていたが、ペテン師野郎のいうことを半沢はもはや相手にもしなかった。
そしてここで支店長、あんたなんか信用できないと一掃されたら、今度はさっきとはまた一転して開き直る。

 
支店長だったらどうしろというんだい。さっきから偉そうなことを言っているが、しょせん君は粉飾を見破られなかったじゃないか。5億の損失を出しておいて上司には向かうとは、迷惑をこうむっているのは私の方だ。失礼する!」

 

とな・・・・。はて・・・ 。

 

はて・・・。あんたには何一つ責任がなかったんかい・・・?

 

 

いくら半沢さんが融資課長だからといって、その上司である支店長に、判子を押したであろう支店長に、ましてや「私が全責任をもつ」といった人間が、なぜ一人の人間に全責任を押しつけて、まるで傍観者になっちゃっているのか。

どう見てもおかしい。

 

が、こういうことを本気で平気で言っちゃう上司が世の中にはたくさんいるんだろうと思う。

 

さらに、銀行なのだから融資課長や支店長以外にも本部の調査役も3日もかけて審査したらしいがそれでもこういうことを言っちゃう。

 

 

上司が部下に仕事を任すときに、2つパターンがある。

 

本当に部下の能力を信用して任せ、そこに教育的側面を持ち見守り、万が一のことがあれば自分が責任を負うつもりでいるパターンと

自分のことで精いっぱいだったり面倒な仕事に関わりたくなくて部下に押し付けただけ、実は部下より知識がない、万が一の場合も関知したくないというパターン。

 

余裕のない上司、つまり後者のパターン、そんな上司は絶対信用したらいけない。

 

 

支店長の「迷惑をこうむってるのは私のほうだ」なんて理不尽なセリフに対して半沢さんは

「わかりました。5億を取り戻せばいいんですね」とこたえ微笑んだ。なんという自信。ま、ドラマなんだけどね。

 

支店長「ぜひそうしてくれたまえ。期待しているよ。半沢融資課長(いやみったらしく)

 

半沢さんが5億取り戻したらまた自分の功績にするんだろうな、こいつは。

 

しかしここでこいつをただいい気にさせておかない半沢さん。すかさずひとこと。

 

「もし取り戻すことができたら、今回の件、土下座してわびてもらいます。よろしいですね

 

わお。普通の日本のドラマでは主人公のキャラ設定上あんまりないセリフ回しじゃないかな?

このドラマで時々出てくる、「やられたら倍返しだ」っていうことなんだろうなぁ。

話が飛ぶけれど、ドラえもんってすごく平和な漫画アニメだけど、案外「やられたらやり返す」ところがある。
限度の問題だと思うんだけど、ジャイアンが理不尽ないじめや暴力をしたときは、ドラえもんが協力してちゃんと仕返しをしていた。
今の子供たち向けにテレビでやってるドラえもんはどうか知らないけど。
一説によると、作者の藤子不二雄さんが戦争体験者であることも影響してるのではないかと。
最近なにされてもやられっぱなしが多い世界の中の日本の立場のことも思い浮かぶシーンだった。

 
支店長「そんなことができるものならな。無様だな、半沢」

 

 

捨て台詞にブザマなんて言葉を使うあたりに、実は上司である支店長のほうが半沢さんのことを非常に「ビビッている」様子が見えると思った。

最初は「すまん半沢クン」なんて言っていた人間が3分もしないうちに「ブザマだな半沢」と一転。

私のポリシーですが、意見がコロコロ変わる、しかもそのスパンが不自然に短い人は基本絶対に信用しません。

人によっては自分の意見が変わったことを自覚さえしてない場合もある。

人間だから意見が変わることもある。意見が変わること自体が悪いのではない。程度の問題。

 

半沢さん、次回ぜひとも5億円回収して支店長に土下座させてほしいものです。次回は7/14放送!!

 

ドラマの中で、厳しい銀行組織の中で”1度失敗した者は二度と這い上がれない”だとか、会社のつらくて厳しい現状がたくさん出てきて、なんか社内失業者としても考えさせられるところがありました。

 

 

 

あらすじ(予告)はこちら↓

 

 

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