社内失業中のエピソード – 引き継ぎを拒む人

社内失業するのには様々な原因があるし、一人の社内失業者を取ってもその原因、理由はひとつではないと思います。

今日はちょっと過去の出来事を思い出したので。
私が社内失業中のエピソードをひとつ書いてみます。

社内失業した職場での初月。
私は新幹線で数時間かかる他支店に挨拶にいくことになった。
そこには私が任されたある仕事の現任者がいたからだ。
会いに行く前から何度か電話やメールでのやりとりはあった。
相手は50才近い男性で勤続10年程。
電話のトーンやメールの口調で気難しく取っつきにくい印象を受けたが、自分のほうがずっと若輩者なのでそんなもんだろうとそこまで気にしていなかった。

今思えばいくら若輩者に対してとはいえ、あんな態度を取るかなぁ~と思う。

会社が、というか経営者が決めた方針、つまり彼が現在片手間にやってる仕事を私が引き継ぐという話は、彼にとって気に入らないことだらけだった模様。

会社側が決めたことなのに
『で、なんで君は自分にこの仕事が適任だと思うの?俺が今してるやり方になんか問題ある?』
本当はそれは私じゃなく会社に対して問いたい事だったんだと思う。

私はこの会社に彼の仕事を奪いに来たわけでもいちゃもんつけにきたわけでもない。
彼には本業の仕事があり片手間にしかできない業務だから協力して進めてゆくゆくはバトンタッチしてほしい、という社の方針と指示に従っていたまでだし彼もそのように理解していると思っていたが実際はそうではなかった。

支店に会いに行ってよく話をし、夜はお酒も交えて飲みニケーションでもすればそのうち溝も埋まるかなとおもったがそうでもなかった。
彼の上司と直接関わるのも気に入らないようで、支店間の窓口はすべて自分にするようにと言われた。
本来私が引き継ぐべき社内の仕事が依然として彼を仲介する流れになり、私に仕事が定着することはなかった。
私の力量不足もあったと思う。慣れない仕事で勝手のわからないこともあったし、そう簡単に人から信用して仕事を任せてもらえるとも思わない。だからこそ当時学ぶ姿勢は崩さずにいたけど人の信頼を得て仕事を自分のものにするのはそう簡単にはいかなかった。

それに彼は忙しい社員だったし地位もある程度確立していたが、少しでも自分の領域を明け渡すことをよしとしなかった。

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人間関係の溝は、だんだん埋まるかなと思って、ずっと頑張ってた。支店や勤務地が違うから滅多に会うことはなかったが、電話やメールで積極的にコミュニケーションを取った。いわゆる社内営業的なことかな。おじさんに気に入られるのは割りと得意なほうだったし、彼は威圧的なタイプなのでしたてにやってきた。
やっと打ち解けて軽い笑い話ができるようになってきたのは私が職を退く意志を固めた頃だっかな。約3年か。

とはいえ最後の最後に退職の挨拶電話をしたとき、特段暖かい言葉はなかった。『そら辞めるわな、ふんっ(´Д`)/』と鼻で笑われたような気がしないでもなかった。いまだライバル視というか厄介者扱いだったのかもしれない。
彼のそんな態度にむしろせいせいした。

自分の人徳のなさに失望しつつ、彼が『イイ人』じゃないことも改めて確認したような気がして、自分をそこまで責める必要はないと思えた。

私が社内失業したことを彼のせいにするつもりはない。
ただ、社内失業のいやだった思い出のひとつ、人付き合いや社会経験のひとつとして書き留めておきたかった。

 

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